資本主義 capitalism 2005 5 5
資本主義のポイントとは、お金を循環させることです。
人間の血液と同じように、お金が滞留しないように注意し、
常に、お金が循環するように配慮すべきです。
たとえば、ある会社が、画期的な商品を開発し、
なおかつ特許も成立し、
この商品が、毎年、会社の収益に大きく貢献したとします。
こうした状況で、この会社が、
設備投資もしないし、配当金も増やさないとしたら、
お金が滞留している、つまり、「お金の死蔵」という状態になっています。
消費者から見れば、
消費者の所得が、会社の所得に移転しているだけです。
つまり、これでは、資本主義とは言えず、
単なる「お金の収奪システム」に過ぎないのです。
この状態は、「お金の収奪システム」であると同時に、
「お金の死蔵」という状態になっています。
これは、「資本主義の失敗」と言えるでしょう。
政府は、お金が滞留しないように注意し、
常に、お金が循環するように配慮すべきです。
もちろん、こうした場合に、増税してしまうと、
経済成長にとって、大きなマイナスとなってしまいます。
政府は、企業が、設備投資の拡大や配当金の増加へ向けて行動するように、
政策的な誘導を実施すべきです。
こうした「お金の滞留や死蔵」は、
経済が右肩上がりの成長をしている時は問題になりませんが、
経済が「成熟経済」となってくると、大きな問題となります。
「死蔵」
活用しないで、しまいこんでおくこと(広辞苑)。